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夢​も​嘘​も​死​ね​ば​思​い​出

by お母さん

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1.
スーパーヒーローになれたでしょうか? サッカー選手になれたでしょうか? 歌手になれたでしょうか? パティシエになれたでしょうか? お花やさんになれたでしょうか? イラストレーターになれたでしょうか? 芸能人になれたでしょうか? 魔法使いになれたでしょうか? 夢を綴ったボロボロの紙 いつかの誰かは夢を見る 眩しいくらいの未来は全て選び放題 そんな気がしてならなかった 朝焼けが言う 昨日、何者にもなれなかったお前に 今日、何者かになれるはずがない 涙を流しながら 乗るわけでもない電車を待つ 飲みかけ緑茶ペットボトルの残骸 小さく、丸くなったカナブン 吐き捨てられた、ガムと痰 どうしても、どうしても 止められない涙 褒められたいだけなのに 幼気な感情に 首輪をして 置き去りにした もしも、今魔法使いになれたなら 過去の私ごと消してしまうの 綺麗さっぱり跡形もなく 昔は、そんなこと考えもしなかったのにさ
2.
私は私の小説の作者 誰よりも幸せな私を紡ぐ 私は私の小説の中じゃ 誰よりも、誰よりも幸せな日々を過ごす 虹がかかる町、運勢は一位 焼けたトースト、同じジャム、コーヒー 毎日が楽しい 美しい物は美しいままで 醜い物など何一つないと教わって生きてきた 疑いなどなく 私は私の小説の作者 誰よりも幸せな私を紡ぐ 私は私の小説の中じゃ 誰よりも、誰よりも幸せな日々を過ごす 私が死ぬまで全てが いつまでも美しいままでいると思った そうやって生きてきた 煌びやかな毎日を送れると思って いつまでも信じてやまない私は愚かで 滴る血のインクで物語は決まってた 思い通りにする為、私は私を書いた 私は私の小説の作者 誰よりも幸せな私を紡ぐ 私は私の小説の作者 誰よりも、誰よりも幸せな日々を過ごす 私は誰かの小説の悪魔 誰よりも、誰よりも憎まれて塗り潰されてた 私が死んだら あなたが私の作者 思い通りの私を笑って語ってあげて 抜け落ちた 最終ページ誰もかれもが笑顔 夢物語の結末は永劫の不在
3.
笑顔 04:19
時は過ぎ、火の粉舞い 絡まったまま、突っ込まれたイヤホン 反戦を掲ぐ武装集団に 命を説く殺人鬼 瓦礫の下敷きになるカラクリ 図られた、図られた 全ては緻密な計算によるもの夜よ、夜よ どうかこの日を、幸せと呼べるような日にしてくれよ 笑ったまま固まったから さも幸せのように写ったから 拐われたこの日、一日 木の幹に刻まれた死の道 笑ったのは楽しくないから さも天邪鬼のように見えただろう 奪われたこの日、一日 木の幹に刻まれた死の道 意思、混線、疎通、困難 儀式の前「?」出す民 かつての神、白紙にて無し お役所仕事、杜撰管理 反社会勢力、形式的処理、稚拙警察署 稼げ、稼げ、逆さにしてまでも待った無しにして 痛い痛い、自分でも分からないみたい、まるで死体 勝ち戦の神輿にて 笑ったまま固まったから さも幸せのように写ったから 拐われたこの日、一日 木の幹に刻まれた死の道 笑ったのは楽しくないから さも天邪鬼のように見えただろう 奪われたこの日、一日 木の幹に刻まれた死の道 昨日、通った道 今日への道、枯れた落ち葉が溜まった 底の見えない側溝のように 枕で塞いでお先真っ暗、なんて言ってるようじゃ 危機感が足りないんじゃないか 両手両足を縛られた、感情を優しく撫でられたとして 暮れゆく丘を下っていく、暮れゆく丘を下っていく 背から照らす夕陽をさも後光と勘違いしているの 暮れゆく丘を下っていく、暮れゆく丘を下っていく 背から照らす夕陽をさも後光と勘違いしているの 暮れゆく丘を下っていく、暮れゆく丘を下っていく 背から照らす夕陽をさも後光と勘違いしていたの 笑ったまま固まったから さも幸せのように写ったのだろう それは、どうか、とても美しくあれと思う だからどうか、その身朽ちるまで 忌憚せず生きていきたいんだ 笑いたくないのに笑っていても 幸せのように写ったのかい 笑ったまま固まったから さも幸せのように写ったから 手から離れたこの日、一日 木の幹に刻まれた死の道のりを 笑いながら避けて行く姿は天邪鬼のように見えただろう エコバッグに詰め込んだ死ぬ理由を 道すがらにぶちまけて行く
4.
潮風、海沿い、原付は遅い 汗ばむメットが気持ち悪い 日に日に時は加速して 地道に生きても終わりを迎え できちゃった婚をしたあいつらは その年別れたらしい ヤクザの女に手を出したあいつは 手切れ金の前で全裸の写真を撮られたらしい 久しぶり、ってラインが入ってきたあいつは ネズミ講で赤字らしい 手首の傷が増えたあいつの笑顔が減って 去年上京したあいつが自殺した 潮風、海沿い、原付は遅い 汗ばむメットが気持ち悪い 日に日に時は加速して 地道に生きても終わりを迎え 乳母車老婆「こんにちは」 ここはまるでみんな親戚のようだ 何かしら繋がり 助け合いが大事 笑顔剥いだ化け物の顔は誰も見ない 私が何をするかも知らないくせに 赤信号がやけに長い 最後のゴール手前がなによりも辛い 「これ持ってって」 土の付いた野菜を渡される 笑顔で私は受け取る 家に帰ることはないのに ほんの少しの罪悪感は 汗ばむ背中に張り付くTシャツの不快感に負ける 私が私で良かったと思えた 潮風、海沿い、原付は遅い 汗ばむメットが気持ち悪い 日に日に時は加速して 地道に生きても終わりを迎え シャッターが目立つ通りを抜ける 昔は色々なお店があったらしい 真新しいものは無くなり 蜘蛛の巣のカーテンのガラスの電気屋 いつのかも分からないエアコンと扇風機 昔は色々なお店があったらしい 真新しい物は無くなり 見たことも無いドレスを店先に飾る服屋 ドアの前で井戸端会議、入る事は出来ないらしい 愛らしい赤子、ベビーカーに向けて手を振る 会話なんてあってないようなもんで 自己満足のアウトプット 途切れ途切れの記憶曖昧に 毎回に同じ事の繰り返しに 飽くなき、死ぬまで同じ 燦々と降り注ぐ太陽に愛情に似た何かを感じるような そんなようにいつかなれたらよかったな 潮風、海沿い、原付は遅い 汗ばむメットを脱ぎ捨てて 日に日に時は加速して 地道に生きても終わりを迎え 夕暮れ、カラスの鳴き声、トラックの音 砂浜に原付を乗り捨てて 歩く歩く 途方もなく 私は私に嘘がつけない 大好きな街も 大好きな人も 大好きなあれもこれもどれも 何もかもが大好きだったもの
5.
死ぬ 03:35
朝だから目を覚ましてさ 一杯の水で、口を濯いで 小鳥か鳩かゴミ収集車か、何でもいいけど 朝の音、たまに酷く嫌いになる それを考える自分が嫌で 嫌いで嫌いでこの上なくて それでも思考は止められなくて 止めるつもりもないのは知ってて 口では自分を責めてるフリして 心の中では自分が一番大切 だから、自分を守るために耳を塞いで 風に辺り揺らいで 長い長い坂を超えて そのまま、自己嫌悪の夜明け 朝起きて 開いたカーテンに絞め殺されたい 差し込む朝日に焼き殺されたい それでも誰かに必要とされて、その時、生きる意味を見つけたい 朝からニュースで殺人報道、無表情な僕はどうでしょう 少しはこいつよりはまとも、自分で自分に言い聞かせては パンを噛む顎に力入る、口の横についたジャムは 今日、開けたばかりの新品 毎回、同じのしか買わない 僕は小さな人間ですか? 知るかよほっとけ好きなんだから 誰かの指図で生きてるわけではない だからといって、「死ね」と言われるのも好きではない 朝だからってのも嫌い 朝は清々しいものですか? 僕はそうは思いません 窓の側の観葉植物、水をあげても無表情 どんなに美しく晴れていても無表情 空が晴れ渡り、雲が無くなり、雨が無くなり その代わりに水をあげても 「ありがとう」の一言もなく、無表情 一体、僕は 彼女から貰った観葉植物、死なないよう見張られてるよう こいつを枯らしてしまったら 彼女は悲しむのだろうか 彼女は怒ってしまうだろうか だったら僕が死んでしまおうか その時、彼女はどう思うだろう 泣いてくれたら嬉しいな、喜ばれるのは寂しいな そんな想像してる時、いつもより明るい自分に出会えた 僕は死にたいだけだった どうにか探していただけだ 理由がないのは好きじゃなかった 理由をとにかく探してたんだ 実体が無くて探しづらいけど とうとう見つけたよ、僕は 置き手紙だけど許してください 今朝、ちゃんと水をあげたよ
6.
雨上がり、夜 コンビニへ サンダルを履いて 歩く歩く 雨上がり、夜 コンビニへの街灯に群がる羽虫たちを 払い歩く 最初から最後まで見たバラエティ番組 ヤラセだとつつきながら水溜りを避けて歩く二人 ヨレヨレのTシャツは恥ずかしいから そう言いジャージを羽織る君 上までファスナー上げて 細身の黒のメガネをかけて 雨上がり、夜 コンビニへ サンダルを履いて 歩く歩く 雨上がり、夜 コンビニへの街灯に群がる羽虫たちを 払い歩く 想像していた大人になれたか 今の今まで後悔せずに 自分の選択に胸を張って 自分に嘘をつかずに生きたか そんな訳なく惰性で生きてる 自分に嘘をついてしまってる 君のことすら羨ましくて 目に焼き付いた姿は永遠 自販機、群がる蛾、蜘蛛の巣と消えかけた照明のコントラスト 何気ない風景、ふと思い出した 去年、祖父が亡くなったこと 何か喋っている君の隣で 意味もない事を考えている 人の話を聞かない人ね なんて言われたこともあったな 雨上がり、夜 コンビニへ サンダルを履いて 歩く歩く 雨上がり、夜 コンビニへの街灯に群がる羽虫たちを 払い歩く 雨上がりの夜はまるで銀河 ため息ひとつが絵画になった モナカアイス、三分の一と二 小さい方を君が食べている 歩道橋の真ん中にて 水溜り、乱反射、街灯 信号機の赤と緑 君がふと口を開く 「まるで映画のワンシーンじゃない?」 駆け出した君と進む時計と 飛び散る水滴がまるで宝石 水たまりが割れ月が覗いて 命は誰もがみんな自由に トラックのヘッドライトが差し掛かる タイミング合わせ飛び降りる君 クラクション、急ブレーキの悲鳴と 赤黒く道路のシミになった君と 走り去る後続車 いつだってみんな 好き勝手生きて 好き勝手死んでゆく
7.
嘘憑者 05:10
今夜は満月が綺麗ですね、三日月の夜にぽつり呟く 一人寄る辺無く俯いて泣く、何もかもが嘘になってしまえ 人生は喜劇、銀幕の中、延々続く嫌になるな 誰かを騙し笑って、切って貼って作った顔で 傷だらけの自作の笑顔、痛々しいと笑われたとて それはそれで別に構わない 誰かを傷つけたいと思わない それを優しさと思わないで 騙して貶したいわけじゃない 嘘つき、周りが笑うなら 私も、楽しいのだと思えた いつのまにか取り憑かれた 嘘、虚言、妄言、夢の中に 暗中模索、暗闇から這い出る舌は何枚か 分からない数え切れないほどの 閻魔様も抜き疲れるほど 今夜は満月が綺麗ですね、三日月の夜にぽつり呟く 人の為と書いて、偽り 睨むような月明かり 嘘憑者、三日月の元 苦る死んだ者、自業自得の賜物 人の形の異形の愛の子 十月十日、目に見えぬ憑き物 あかさたな孕んだ身体に泣いた 裸だからカラカラに乾いた 喉を割いて花束を吐いた 嘘をつき孤独、気づかぬ猛毒 致死量相当、盛った皿の上 病室のあなたに 本当のことは言えなかった 身体は良くなると嘘をついた 元気になってと言ってしまった 不治の病、くちなしの花 頂に踊るハゲタカの群れ 後ろから睨む死神の鎌が 本音の根を切り落としていった 何も知らないふりをすれば そうすれば 何もかもがよかったか 人の為と書いて偽り 睨むような月明かり 嘘憑者、三日月の元 苦る死んだ者、自業自得の賜物 人の形の異形の愛の子 十月十日、目に見えぬ憑き物 あかさたな孕んだ身体に泣いた 裸だからカラカラに乾いた 喉を割いて花束を吐いた いつのまにか、本当と嘘の境界も曖昧に怖くなった 病室にいる最愛のあなたが、死ぬことを恐れて 早く良くなってまた元気で会おうと あなたは良くなると嘘をついた あなたが死んでしまう、という本当を隠した 何もかもが怖くなって隠した 誰が為に あなたの為についた嘘、本当は自分の為なのに 馬鹿につける薬はなく こんな愚かな馬鹿は死なないと治らない 死んだら治る私、治らずに死ぬあなた 私は死んでも治らなくて構わないので あの人を治してはくれませんか 祈りも嘘だと思われてしまうのでしょうか あなただけはずっと 元気に生きていてほしかった 嘘つきの嘘が、本当でありますように祈ったこと 信じればきっと奇跡は起こると、神様すら嘘だったこと 嘘をつけばつくほど孤独に 嘘に乗っとり憑かれたケダモノ 嘘をつき疲れただけなの 三日月の夜、吐く息は白く
8.
消えかけの看板と街灯 食べかけのあんぱんを捨てて 食傷気味だ、やけに苦しい それでも向かう今晩もバイト 電車もダルい自転車もダルい 歩く気力なんてとうにない マンホール煙る裏通り 人気のない飲み屋の暖簾 吐き気を催す生ぬるい臭い 嘔吐 息引き取る 僅かな気負い 色々暗い いよいよ辛い 自分が発する言葉すら嫌い かと言い誰かの言葉も好かない こちらへ向かって来る老婆 自然に目線を落とすこの行為 やましさ 自信の無さの露呈 耳に残るような微かな足音 ざらつくような不快な唾も 無理矢理飲み込むともすれば 窒息死てしまうの 誰でも無い何者で無い無い物ねだりの出来損ない あるのは自暴自棄の未来 お問い合わせサポートセンター 「希望はどこにあるのですか?」 「申し訳ございません、お客様の人生に希望はご用意されておりません。 詳しく聞きたいなら1を納得された方は2を我慢が出来るならば3を 居場所の無いあなたには死を」 お前は誰だ生きているのか? 死にたがりなのを隠して生きて 言うだけ無駄 誰も分からない 一人で抱いて苦しんで行け 青くない空は、止まない雨は 抜けないトンネル、明けない夜など 何一つ無いと言うけれど 努力は報われると言うけれど 止まない耳鳴り開かない瞼 口を噤んで震えていた 淀んで心が真っ暗闇だ お前は誰だ生きているのか? 死にたがりなのを隠して生きて 言うだけ無駄、誰も分からない 一人で抱いて苦しんで生け お前は誰だ生きているのか? 死にたがりなのを隠して生きて 聞くだけ無駄、誰も分からない 一人で泣いて苦しんで生け お前は誰だ生きているのか? 死にたがりなのを隠して生きて お前は誰だ生きているのか? 嘘をついてまで生きていたいのか お前は誰だ生きているのか? 死にたがりなのを隠して生きて お前は誰だ生きているのか? 一人塞いで苦しんで生け 誰でも無いお前なんかにこの世の生場所はとうに亡き 私もみんなと笑える時が 来るなど夢物語だと お前は誰だ生きているのか? 死にたがりなのを隠して生きて お前は誰だ息してるのか? 嘘つかないと窒息死てしまう 誰でも無いお前なんかに この世の生場所はとうに亡き
9.
誰も居なくなる時間に 外を歩いて一人で消えたくなった コンビニの明かり、錆の生えた頼りない街灯 消えかけた止まれの文字 羽虫、枯れたコンドーム 、液漏れした単三電池 相方を無くした靴と軍手 さっきまで降っていた雨で、濡れている花を踏みつけて 飛び散る水滴が輝いて鋭利 私を照らしている街灯は、太陽より眩しく、火花よりも激しく 罪悪感が芽生えてしまう だから、私は背を向けてしまう 照らされる私から伸びる影が、草木とアスファルトを混ぜる 照らされる私から伸びる影が、草木とアスファルトを混ぜる 自我と蛾の見分けすらつかなくなっていく 遠くで鳴る意識外、雷の音 充電の切れかけたワイヤレスイヤホン 水溜り、サンダル、濡れる足に嫌気 死と隣りは、酷く怠く疲れ寒気 ヘッドライトに刺され、引き千切られ離れ さよなら、と別れ そんな誰かを描いた絵画 真っ黒なキャンバス、殴り書きのような白い線 表したと言えばそう見えるか 訴えかければそう捉えるか 何も出来ず、隅でうずくまる 嘲笑に晒されている 途切れ途切れの音の中 私はまだ一人 いつか そう言い続けて早何年 今年も私は、生きていますか? いつか 絵画に閉じ込めた私を、引き裂いてはくれないでしょうか?
10.
ありがとう、さようなら 愛しいあなたよ いつかまた天国で 会えると信じて くだらない人生だった わたしなんて、と 自己嫌悪と後悔に、脅され続けてきた あなたに出会えたことだけを 永遠の財産にすることを 勝手にひとり、神様か誰かに誓った 死んでも尚、色褪せず 雨が降っても、錆びることなく 晴れれば輝いて 風が吹けば澄んで 何もかもが終わるのに そんなこと、知っているのに 誰にも、何も知られぬままに ひとりそっと誓った いつかまたきっと、曖昧な約束を いつまでもずっと ありがとう、さようなら、愛しいわたしも いつかきっと、天国へ行けると信じて 明日も続くの、楽しみも悲しみも 終わりが訪れても、悔やんだりしないで 雨の日も風の日も、暗闇で人知れず 毎日、ただ在りし日の後悔を悔やんでは 泣いていても吐いていても 誰にも悟られずにさ 笑顔で、優しく振る舞うあなた 行き場所など天国だけ 天へ繋ぐ線となる 剣よりもペンよりも、点を結ぶ、縁を紡ぐ 光あれと夢泳ぐ 天国へと、天国へと、欲をかく浅ましき者 わたしもいつか、その線を辿れるのかな 天国への道のりは、常日頃の行いで 神様が見ていなくとも、誰かは見てくれていて あなたの立てた道標 優し過ぎるあなたには相応しい 有り余るほどの光あれ ありがとう、さようなら 愛しいあなたよ いつかまた天国で 会えると信じて 地獄は満席で 天国は空席で 心配は要らないの あなたはただあなたを 信じて生きてくれるだけで わたしはただそれだけで 嬉しくて身勝手にあなたに救われるの さようなら ありがとう
11.
夢から飛び降りて 鉄塔がお腹を貫いて 皮膚を破いて 骨を砕いて 空が見えた 伸びる電線が臓物のようで 色鮮やかな国旗でも飾ったらどうでしょうか くだらない 引き千切れた端々でショートして飛び散る火花に 今日は花火大会 心無い言葉を手向けた 痛みなく悲劇を装うヒロインの目には涙 髪が濡れた 雨が覚めた夢の中 荒れた肌の隙間からは 覗く闇と痛みが 絞首台、嘘が立って独り泣いていた 「全部、全部、本当にしてあげるからね」 開く床に軋むロープ 祈る為の手も亡くした カラスが食い散らかした生ゴミ そこに混ざるヒロインと思い出の残骸 夢も嘘も死んだら誰かのゴミとなった 朝焼けが染めたのは とうとう悪い癖が治ることのなかった 笑顔の人々の喧噪 町にはいつまでも同じ時を刻ませた 誰かがそっと、置手紙ひとつ残して去った 名も知らぬ誰かの映画が美しく見えた 嘘に取り憑かれ疲れ果てたのは 生場所も亡くしてしまった 自我も蛾も分からなくなってしまった わたしだった 勝手にすがった 顔も名前も忘れてしまった誰かの 道標だけが頼りだった いつか見た朝焼けは 来るはずのない電車の駅のホームを 透き通る絵画のように切り取った 夢の中でも 嘘の話でも 顔も名前も忘れたあなたが そっと手を差し出してくれた 来るはずの無かった電車に乗って ゆっくりと揺られている どうか ぎゅっと 手を握っていて

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GUMI
さとうささら
お母さん

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released February 17, 2023

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